

臨床工学技士は1987年5月に制定された「臨床工学技士法」に基づく医学と工学の両面を兼ね備えた国家資格です。1988年4月より施行されました。業務内容は、患者さんが生きていくうえで不可欠な装置の操作や保守点検を医師の指示のもとで行います。具体的には、腎臓が悪くなった患者さんに使用する人工透析装置、呼吸ができなくなった患者さんに装着する人工呼吸器、心臓の手術をするときに使用する人工心肺装置などが該当します。いずれも患者さんの生命を直接左右する装置で、その操作には高度な知識と技術が必要です。臨床工学技士は高度化する医療機器を安全に使用するため、制度化された資格です。
そのほか、病院内で輸液ポンプや除細動器など医療機器の保守点検も行います。

法制化されてからすでに20年が経過しましたが、臨床工学技士の数は極端に不足しており、実際に働いている人数は1万人弱です。看護師が100万人を超えている現状から見ると、医療現場で早急に必要とされる職種です。
医療のための医学と工学の知識両方を習得することは、容易ではありません。教育ができる教師も限られているため、養成校は50校程度です。しかし、そのほとんどは3年制の専門学校です。高度化する医療技術を習得するためにはどうしても時間がかかるため、一部の専門学校では大学に移行するなど、教育の高度化も行われつつあります。
勤務内容をみると、実働数の8割程度が人工透析に従事しています。最近では病院内での医療機器管理が徹底しつつあるため、臨床工学部門などに所属して院内の機器を一括管理するところもあります。

患者さんの生命を左右する内容なので、責任は重く、医師、看護師と同様大変な業務内容といえます。しかし、充実感は十分あり、やりがいのある仕事です。

電気・電子の苦手な学生さんでも十分理解できるよう、教育設備は他校にない充実度です。さらに、学科の方針として即戦力となる学生の養成を掲げていますので、校舎内には4床の集中治療室(ICU)、10床の血液透析室、工作室、保守点検実習室を設置しています。病院内と全く同じ環境で学ぶことができます。工学分野の不得意科目は、担当教員による特別補講を行っています。全員が国家試験合格以上のレベルに到達することを目標としています。
教員の多くは医療現場の第一線で働いていましたので、現場で必要とされている内容を教わることができます。授業の詳細は、カリキュラムの項目をご覧ください。

2009年の試験では1,929名が受験し、1,533名が合格しています。合格率は79.5%でした。現役の合格率は高いのですが、一度失敗すると合格するのは難しくなります。本学科では全員が4年次での合格を目指しています。
そのほか、日本生体医工学会主催の第2種ME技術検定試験の全員合格を3年次で達成すべく、プログラムが組まれています。また、合格率が20%程度と極めて難関な第1種ME技術検定試験合格も目指せるようになっています。

臨床工学技士勤務者数の推移
(厚生労働省統計調査結果)
本学科では九州各県の38施設以上と病院実習契約を締結しており、最も適した施設での実習が行えるよう配慮されています。また、就職もその実習病院を含めた数多くの施設で可能性があります。現在3年次生までしかいませんが、すでに複数の施設より求人が届いており、臨床工学技士不足での需要は極めて高いことが伺えます。他大学の例では本州の大都市からも相当数の求人が来ていますので、本学でも希望する就職地もしくは職務内容から最適な施設を選定することが可能と思われます。
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