2010年1月27日
世の中には控えめな人が多く自分の夢や希望を口に出す人は少ない。私も「あなたの夢は何ですか」と聞かれたら「特にありません」と答える。
さてある日ひとりの学生が私に「先生、私は今まで一度も自分の夢を人に話したことは無いのですが聞いてくださいますか。」と言ってきた。その学生はご主人が定年退職のとき「妻としてよく尽くしてくれた。退職金の一部をあなたにあげるから好きなように使いなさい。」と言ってくださったので「私は大学に行って学びたいです。大学に行かせてください。」と言って大学に入学してきた50歳台後半の女性であった。
彼女は私に「私の夢は家庭裁判所の調停委員になることです。」と言った。私はその時点では家裁の調停委員にはどうやったらなれるか知らなかった。1ヶ月ほどたって、会社を定年退職後に本学に入学し卒業した方に町でばったり会った。「今何をしているの。」と尋ねると「家庭裁判所の調停委員をやっています。」と答えるではないか。びっくりして「どうやったらなれるの。なりたい人がいるのだけれど。」と尋ねたところ、「いま新しい調停委員を探しているんですよ。早速連絡を取ってみますね。」とさらに驚く話となった。いま彼女は夢が叶って彼とともにその仕事をしている。
彼女は控えめでシャイな感じの人である。でも思い切って夢を口に出したから叶ったといえる。
私はいくつになっても自分の夢を持ちまた人に話すことで道が開けることを目の当たりにした。この二人はわたしの人生の先輩として本当に尊敬する方々である。そんな人との出会いも大学教員の役得だなあと思う。
文責:山崎きよ子
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