【ようこそ!臨床心理専攻へ!】(5)「アニマルセラピー」を学ぶって?

2015年6月29日

 

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リレーコラム『ようこそ!臨床心理専攻へ!』。

5回目は、専攻での、『アニマルセラピー』の学び方についてのご紹介です。

皆さんは、『アニマルセラピー』ということばを、聞いたことがあるでしょうか?

『アニマルセラピー』は、「動物とともに行う、対人援助のための技法」です。
(正確には、厳密な「セラピー」としての治療的介入を目指す『動物介在療法』と、ふれあい活動を中心とした『動物介在活動』の、2つの定義があるのですが、今回は、ちょっと置いてきましょう)。

臨床心理専攻では、『アニマルセラピー』を学ぶことができるのですが、さて、アニマルセラピーを『学ぶ』といって、何を勉強するのでしょうか?

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よくあるアニマルセラピーの一風景から見ていきましょう。こちら、昨年度の『アニマルセラピー学外実習』の一場面です。


主に認知症の高齢者が利用される小規模多機能型居宅介護施設にて、学生・犬と一緒に現場実習をさせてもらっている場面なのですが、これを見て、こんな<疑問>がわいてきませんか??

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いちばん知りたいのは、もちろん、中央の「犬と一緒に、何をしているの?」でしょうね。

その「答え」が、『アニマルセラピー』です。専攻では、さまざまな専門科目・演習・実習を通して、アニマルセラピーの「答え」を学んでいきます。

しかし、それだけではありません。実は、その周囲にある4つの枠内の<疑問>が、専攻での『アニマルセラピー』の学び方と直結しているのです!

左上・緑色の枠内の<疑問>(「施設の中に犬が入って、不衛生じゃないの?」「犬から人に伝染る病気はないの?」)と、右上・赤色の枠内の<疑問>(「犬に、椅子の上に座ったままでいてもらうには、どうしたらいいの?」「知らない人に触られて、犬にストレスはかからないの?」)は、『アニマルセラピー』の大切な相棒である『動物』についての知識・技術に関する学びと結びついています。

まず、赤色の枠内の<疑問>について。これは、動物のしつけ・トレーニングに関する知識・技術に関わっています。

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『アニマルセラピー』は、さまざまな臨床現場で行われる、ケア実践の手法です。安全に活動を行うには、相棒である動物の行動を十分に理解し、適切な指示の出し方を学ばなければなりません。


写真だと、遊んでいるようにしか見えないのが残念ですが(笑)、学習理論に基づく「陽性強化法」を基礎に、犬との適切な関わり方について学んでいる真っ最中。専攻では、『動物トレーニング実習』等の科目を通して、赤色の枠内の<疑問>の「答え」を学んでいきます。

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専攻で飼育している2頭の犬、シェットランド・シープドッグの「ココ」と、フレンチ・ブルドッグの「マル」の日々のお世話も、犬という動物を正しく理解するための、大切な時間です。専攻犬の飼育を始めて6年になりますが、毎日、学生さんがていねいにお世話をしてくれて、ほんとうに頭が下がります。

一方、緑色の枠内の<疑問>は、公衆衛生や動物の病気等の知識や対応に関わっています。

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写真左上、マルの顔がみょうに険しいのは、これから注射を打たれることを察しているからかもしれません(笑)。


生き物を飼う以上、健康管理は「飼い主」の責任です。狂犬病などの人畜共通感染症の予防はもちろんのこと、動物の健康を維持するための検査や投薬も不可欠です。『動物病理学』等の科目や、ココ・マルのお世話を通して、動物を飼育し、ともに学び、活動する責任について、日々、学びを深めています。

そして、衛生管理について。え!大学で犬のシャンプーまでするの!?と驚かれるかもしれませんが、専攻には、そんな設備も整っています。

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といっても、これは単なるオシャレのためではありません。臨床現場に入る以上、動物が汚れたままでは、お相手が不快な気持ちになってしまいます。そもそも、『アニマルセラピー』をやろうがやるまいが、動物の衛生を管理し、飼育環境を清潔に保つのは、動物福祉の観点から不可欠なこと。専攻では、『トリミング演習』等の科目や、日々のココ・マルのお世話、実習準備の機会を通して、これらの<疑問>への「答え」についても学んでいます。


ここまで、ながいながい説明をお読み頂いた方、ありがとうございます。なるほど、「『アニマルセラピー』を学ぶ」ために、『動物』についていろいろ勉強するのが、専攻の特徴なのか、と思われたかもしれません。

でも、より良いアニマルセラピーのために、さらに大切な2つの視点を学ぶ必要があります。

1つが、『心理/カウンセリングに関わる視点』右下・青色の枠内の疑問:「この方々は、それぞれ、どんなニーズがあるの?」「認知症の方々と、どのようにコミュニケーションをとればいいの?」「認知症の方々の『心』に寄り添うには、どうすればいいの?」等)。臨床心理専攻では、「認定心理士」資格関連科目の学びを通して、人の心を支えるさまざまな知識・技法を修得できます。

もう1つが、『社会福祉/精神保健福祉に関わる視点』左下・ピンク色の枠内の疑問:「認知症ってどんな病気?」「認知症高齢者には、一般に、どんな生活課題があるの?」「『小規模多機能型居宅介護施設』ってどんな施設?」等)。臨床心理専攻では、「精神保健福祉士」国家試験受験資格関連科目の学びを通して、人の暮らしを支える福祉の知識・技術をマスターできます。

『動物』/『心理』/『福祉』の3つの視点があわさってはじめて、「『アニマルセラピー』を学ぶ」ことができるのです!そして、全国の大学・専門学校で、この3つの組み合わせから『アニマルセラピー』を学べるところは、ほとんどありません。

と、長くなりすぎたので、今回はここまで。続きは、7月25日・26日のオープンキャンパスでご説明します!

皆さんも、臨床心理専攻で、『心のWライセンス』を目指しつつ、『アニマルセラピー』を一緒に学んでみませんか!?

加藤 謙介

20150629katokensuke08.png【ご案内-1】 臨床福祉学科・動物療法専攻は、平成27年度より、臨床心理専攻とひとつになり、臨床心理専攻カウンセリング分野アニマルセラピー分野)』になりました。詳しくは、九州保健福祉大学社会福祉学部・臨床福祉学科のウェブサイトをご覧ください。
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