仮設団地を、『人もペットも暮らしやすい街』にするために:熊本県益城町から

2017年6月13日

日本は災害大国と言われています。災害は、地域を襲い、私たちの<こころ>や<くらし>を根本から破壊してしまいます。人の<こころ>や<くらし>の支援を学ぶ心理学や社会福祉にとって、災害は、大変重要なテーマとなっています。


そして、災害が起きると、人間だけでなく、「ペット」も被災します。


『アニマルセラピー』では、人の<こころ>や<くらし>を支えてくれる動物たちですが、災害時には、飼い主とともに、支えや助けを必要とする存在となります。

 

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2016年4月に発生した平成28年熊本地震の被災地でも、ペットを「家族」と思う被災者の方々が、ペットとともに厳しい避難生活を送らざるをえませんでした。


私は、諸々のご縁があって、4月16日の「本震」直後から、最も被害が大きかった熊本県益城町内の避難所・仮設団地で、被災された方々とそのペットへのサポートに関わらせていただくようになりました。

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昨年7月には、益城町総合体育館避難所で、現地支援者の方々と共同で、避難ペットの写真展『いぬネコ家族写真展』の開催等のお手伝いをさせていただきました。

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多くの方が仮設住宅に入居された昨年11月以降は、ペットとともに仮設団地で暮らす飼い主(被災者)や現地の支援者とともに、『わんわんマナーアップ大作戦』など、「人もペットも暮らしやすい街づくり」を掲げた企画の立案・実施に関わっています。

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去る5月14日(日)、益城町最大の仮設住宅「テクノ仮設団地」にて、『第3回わんわんマナーアップ大作戦』が開催されました。このイベントは、「犬の飼い方マナー講座」の後、仮設団地の犬の飼い主さんたちといっしょに、「愛犬を連れて仮設団地のゴミを拾う」企画です。
(※この日のイベントの様子は、5月29日付の朝日新聞朝刊でも取り上げられていましたね)
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20170529000154.html

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被災地は厳しい状況が続いていたので、これまでは、主に私1人で活動してきたのですが、今回、初めて、私のゼミに所属する臨床心理専攻3年生の学生3名とともに、仮設団地でのイベントに参加しました。

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初めて訪れる被災地・仮設団地の雰囲気に圧倒されつつも、3人とも動物が好きということもあり、ボランティアとして積極的に活動に参加してくれました。

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イベント終了後、地震発生以降のペットとの生活についてお尋ねするため、仮設住宅の飼い主さんのお部屋を訪問。急なお願いだったにもかかわらず、大変ていねいにご対応いただき、ゆっくりとお話を伺うことができました。

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その後、未だ地震の爪痕が残る益城町中心部へ。益城町では、倒壊家屋の解体がようやく進み、何もない更地がずいぶん増えていました。


大学に戻ってからのゼミで、今回の訪問について学生たちと意見交換しました。ゼミ生からは、「ペットを介して、被災者同士がつながること」「ペットを飼っていない住民もイベントに参加していること」等、『わんわんマナーアップ大作戦』の意義についての意見がありました。一方、発災から1年1ヶ月経ってもなお残る街の傷跡や、仮設団地での生活の厳しさにショックを感じたとの声も寄せられました。


ゼミ生たちは、3人とも、社会福祉士・精神保健福祉士等の援助専門職を目指していますが、今回の訪問が、若い感性にとって良い学びの機会になっていることを期待しています。同行してくれた佐藤君・林田さん・藤岡さん、早朝からありがとう!また、お忙しい中、私たちのためにお時間を割いてくださった住民の方々に、改めて感謝申し上げます。

加藤 謙介

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