2018年4月

コンサートのすすめ

2018年4月11日

小・中学校や高校と大学の違いの一つに,儀式の数があります。小中高では,1学期は新任式とそれに続く始業式に始まり,入学式で新入生を在校生が迎えます。その後各学期の始業・終業式もあります。また,高校総体など大きなスポーツ大会の前には選手推戴式,そして優勝や入賞があれば賞状納め式などもあります。

2月から3月にかけては,学校における最大の行事と言ってよい卒業式があります。その前に,その学年の3年間の生徒の活動に対して,皆勤賞や各種団体からの生徒表彰を行う表彰式,同窓会入会式があって卒業式本番を迎えます。そして終業式(終了式)がありますが,3月末には教職員の異動に伴い,離任式で1年が終わります。

大学では周年行事が行われる場合もありますが,入学式(本学では入学宣誓式)と卒業式(学位記授与式)の2つが基本です。3月19日に4年生が卒業しましたが,4月6日に入学式(入学宣誓式)が挙行され新入生を迎え,2018年度も始まりました。教員一同,気持ちも新たに指導していきます。

 

さて,前回に続きコンサートの感想です。昨年⒓月とこの2月はささやかな贅沢をしました。それは,ベートーヴェンの同じ交響曲を月に2回聴くというものです。

12月は恒例の交響曲第九番『合唱』を延岡(16日)と福岡(24日)で聴きました。オーケストラは両日とも九州交響楽団で,延岡は「のべおか『第九』を歌う会」の主催,大分県立芸術文化短期大学の森口真司氏の指揮,地元及び宮崎県に縁のあるソリストたちと地元を中心とした合唱団による演奏でした。団員の高齢化や団員数の減少への対応がなされ,小学生も参加しての合唱でした。小学生を交えての合唱はそれなりに聴き応えのある演奏でした。アンコールは,『きよしこの夜』で,1年の終わりを実感しながらの演奏会でした。

それに対して,福岡は「九響 第11回 名曲 午後のオーケストラ」と銘打った演奏会で,指揮は音楽監督の小泉和裕氏,ソリストは声楽家や指導者として活躍している4人,合唱は九響合唱団を中心に九大男声合唱団や混声合唱団の人たちから構成されていました。鍛えられた合唱とオーケストラとソリストの演奏で,わざわざ福岡まで足を伸ばした甲斐のある演奏会でした。こちらは正真正銘の『第九』だけの演奏で,アンコールもなく純粋に『第九』の余韻に浸ることができました。

延岡の『きよしこの夜』は不要かというと,フル・オーケストラと一緒に『きよしこの夜』を歌って,「今年も色々あったけど,来年も頑張るぞ」という気持ちで家路につくのも良いのではないかと思います。

2月はベートーヴェンの『第7番』です。この曲は『のだめカンタービレ』で使用されて一躍有名になりました。2月12日,雪の福岡での演奏会を聴くきっかけは新聞記事でした。「フィルハーモニア福岡」というアマチュアのオーケストラによる『4番』と『7番』を延原武春氏が指揮するという内容でした。延原氏は独自の解釈による指揮者であり,私も『第九』をCDで聴きましたが,全曲を63分足らずで演奏する超スピードで驚きました(CD写真)。CDが登場したときの収録時間が74分となったのは,『第九』を1枚に収めるためであったと聞いたことがあります。そう考えると63分は短い。その指揮者がどのように『4番』と『7番』を振るのかが興味深くてチケットを購入しました。(何と,千円で交通費はその10倍です!)

 

 

CD写真.jpg

 

この演奏会の特徴は,指揮者による解説が演奏の前にあったこと,第1ヴァイオリン・第2ヴァイオリンそれぞれ8人がステージの左右に,ヴィオラ6人は指揮者の右手に,チェロ6人とコントラバス4人は左手に配置されていること,そして管楽器はすべて2人ずつの編成でした。アマチュアと言え,力のこもった演奏で充分に楽しめるものでした。特に,『4番』では「あっ,こんな表現もあるのだ」と驚いた部分もありました。

『7番』は上述の楽器配置が活かされて,第4楽章の弦楽器の動きを鮮明に聴くことができました。次回は,同じ指揮者によるシューベルトの『未完成』と『グレート』ということです。『グレート』は生では聴いたことがないので,都合がつけば是非足を運びたいと思う演奏でした。

そして,最後は井上道義指揮日本フィルの九州公演最終日です(日フィル写真)。楽団員が入場してコンサートマスターを見て,あれっ?と思ったのは見たことのある顔だったからです。自宅に帰って確認したら,元九州交響楽団のコンサートマスターを務めていた人でした。オーケストラにも異動があるのだということを実感した次第です。また,コントラバスの一人が春の選抜甲子園大会に出場した富島高校の濱田監督に似た人であったり,ピアノのソリストの反田恭平さんがアンコール(モーツァルトのトルコ行進曲)を非常に速いペースで弾いたのが印象的でした。

こちらの楽器の配列は第1・第2ヴァイオリン14人ずつが左右対称の位置,ヴィオラ(7?8)が第1ヴァイオリンの右側,チェロは第2ヴァイオリンの左側,コントラバス(7)はステージの右奥に位置するもので,福岡の倍近い編成で,圧倒的な迫力でした。

私はクラシックのコンサートに行った時は,まず楽器配列に注目します。また,小型のオペラグラスを持参します。演奏者の表情を見たり,楽譜台を見ると,アンコール曲の楽譜が準備してあったり,楽しいものです。

 

 

日フィル写真.jpg

 

ところで,福岡の演奏会では,第1ヴァイオリンの末席にヴァイオリンだけが置いてありました。最初は後から参加するのかと思っていましたが,最後までそのままでした。この演奏会での演奏を前に怪我か病気で入院,あるいはその舞台を果たせないままの人のための席だったのかなと思っています。

以上 臨床福祉学科 長友道彦 でした。