ノーマライゼーションと住環境

2019年5月 9日

本学も10連休でした。連休が明けて、今週から本格的に講義が始まります。

 

臨床福祉学科では、『バリアフリー住宅』『福祉施設の生活空間』『福祉のまちづくり』など、福祉住環境をテーマにした科目を開講しています。連休明け最初の講義は『ノーマライゼーション社会と住環境』がテーマでした。

 

『ノーマライゼーション』という言葉は、数年前に国立国語研究所が難解な外来語として「等生化」という日本語訳が提案し、話題となりました。『共生』という言葉が用いられている場面もよく見かけます。ただ、本来の意味を十分に伝え得る日本語がないので、私の講義では訳さずに『ノーマライゼーション』として話しをしています。

 

『ノーマライゼーション社会』とは簡単にいうと「誰もが平等の権利を持った社会」ということです。例えば、病院の病室を想像してください。私たちが普段生活している部屋と比べて過ごしやすい空間だと思いますか?「病室だから生活空間とはちがう」という人もいるかもしれません。しかし、ひと昔前の老人ホームは病室のような4人部屋の居室がたくさんありました。少しずつ個室化が進み、快適さが高まっていますが、まだまだ「生活空間」といえる施設は少ないと思います。高齢となり自宅での生活が困難となれば、老人ホームに転居することもあります。その時に、これまで生活してきた空間とはかけ離れた居室で過すことは『ノーマライゼーション』と言えるでしょうか。

 

臨床福祉学科の学生には、『ノーマライゼーション』という言葉の意味をよく学んで、誰もが平等に生きていける生活空間を考えることができる福祉専門職になってもらいたいです。

 

臨床福祉専攻 三宮基裕

 

 

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