教員の活動

哲学者のつぶやき ~其の八~

2013年12月20日

師走。しかし哲学者は座っている。今回は思索ではない。一般教養の範疇である哲学や生命倫理学をいっぺい先生と折半しながら講義をしているが、これは毎回の講義終了時に学生さんに書いてもらっている「本日勉強したこと」である(この手法はいっぺい先生も実施している)。

教養科目だから受講人数も100名を数える。学生さんの手書き文字を読む目は霞む、集中力も切れ切れである。それでも老体に鞭打って11枚、丁寧に目を通している。

しかしこのような形態をとっているからこそ見えてくるものもある。学生さんの意見に成程と感心したり、ここが疑問であったか、と気づかされたりもする。講義後の学生さんとの文字による対話である。

いっぺい先生はこの用紙に書かれた疑問に対する回答を次の講義の頭に使用するらしい。しかし哲学者はこれらの疑問や意見は、そっと哲学者の胸の中にしまっておく。奥ゆかしい。いじらしい。いじましい?

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延岡古墳群

2013年12月18日

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写真は大学の入り口にある黄色い4本ポール近くの調整池の横から撮った愛宕山(大学から6km)です。
愛宕山は左から2本目のフェニックス(ヤシ科)の木の奥に見えています。
手前の土手のように見えているのは東九州自動車道です。

愛宕山の麓には延岡古墳群第5号墳と呼ばれる洞穴遺跡があります。
貝塚(縄文時代)の下に石を棺の形に置いた「原始的組合せ石棺」が出てきました。
延岡市教育委員会編『延岡の歴史と文化財』(昭和54年)には「小さなやや長い石を、頭の側にひとつずつ立ててある」とあります。
この洞窟の向きですが東向きです。
太陽が出てくると、当時は陽が洞窟の奥まで射して荘厳さが感じられたと思います。
現在は建物があり陽が直接射しません。
縄文時代の人も弥生時代の人も古墳時代の人も太陽を拝んでいたのでしょう。
かつて東の太陽に向かって拝むことを「アワ」「アヲ」と言ったそうです。
宮崎の青島はその意味では青い島という意味だけでなく、さらに東に向かって太陽を拝む場所という意味もあるんですね。
まさにこの地は日向(ヒムカ)なのです。

高橋直也

大学時代の大切さ

2013年12月13日

先月、道後温泉に行ってきました。大学時代に部活を共にした仲間と「還暦祝い」をやるためです。大学を出てから40年近くなります。北は青森、南は沖縄と、日本に散らばった仲間が集まりました。頭がすっかり薄くなったのもいれば、昔と容姿がほとんど変わらないものなどいろいろです。でも、しゃべりだすと大学時代にワープします。暗くて、汚くて、たばこの煙に包まれていた部室の中で、ワイワイやっていた頃の雰囲気に戻ります。そしてあの時代のうれしかったこと、辛かったこと、胸がときめいたことなどが、次々とよみがえってくるのでした。ああ、大学時代は最高だった。こんな仲間がいるからそう思えるのでしょう。

 大学時代の部活が、人生に大きな影響を与えることも認識しました。我々はESS(English Speaking Society)活動をしていましたが、仲間には海外で働いていたもの、英語の教員をしているもの、留学したものが多い。そしてそれなりのポストについています。わたしなどは、ほんの出来心で入ったものでした。かわいい女子学生と話している友人を見て、「あれは誰だ」と聞くと、「同じ部活の子だよ」と聞いて、じゃおれも入ってみるかと入ってしまった。それが、自分が海外で働くという仕事の方向まで決めてしまうとは、、、。

どんな経験でも、大学時代の経験は人生に大きな影響を与えます。今、この大学にいる学生たちに、いろいろ体験してみなさい、チャレンジしてみなさいと檄を飛ばすのですが、その気になってくれる学生は多くはありません。還暦を迎え、人生を振り返って切実に感じていることに、もっと耳を傾けてほしいものですね。

文責 秋葉 敏夫

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南方古墳群

2013年11月25日

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写真は南方古墳群の一角です。(大学から歩いて約20分)
写真のすぐ右側に第一号墳(天下神社)があります。
この古墳は前方後円墳(約71m・東西軸・東が前方部、西が後円部)です。
古墳と田んぼ、何の関係も無さそうですが、実は大いに関係があります。
古墳をつくる技術は田んぼをつくる技術と同じなんです。
どちらも縄一本で設計できます。
約1500年前の景色と今の景色がほぼ同じというのもいいですね。

写真の道は正確に南北に走っています。
後方が北になります。
なぜ方角が分かるかと言うと、夜、この道の後方延長線上に北極星が輝いています。
つまり、古墳時代の人は満月の夜、縄張りをしてこの田んぼと古墳を設計したと勝手に考えています。
天照大神の次に生まれたのが月読神ですが、農耕にとって星や月を観察して季節を読むことと星を基点に方角を決めて田んぼを設計することは重要であり2番目に生まれた理由がわかります。

田んぼの単位は一町(約108m四方)ですが、70m級の前方後円墳はこの一町の中に設計できます。
地方に70m級の前方後円墳が多いのは規格品(設計図が同一で田んぼをつくる技術の集大成)だからと考えると納得がいきますね。
写真の田んぼと写真右の古墳は同じ区画の中に規格品として作成されたと考えられます。
古墳時代の都市計画でしょうか。
まあ、そんなことを考えながら毎日天下神社の横を通り大学に通っています。

高橋直也

恩師に出会う

2013年11月18日

『恩師』という言葉を聞いたことがありますか?“教えを受けた先生”という意味です。

みなさんも、高校の先生、中学の先生、小学校の先生、もしかしたら幼稚園の先生。たくさん出会ってきた先生のなかに「今の自分に影響を与えているなぁ」という先生がいるのではないでしょうか。

 

私にも、たくさん影響を受けた先生がいますが、今の自分の仕事や考えに大変強く影響を与えてくれた先生が3人います。

 

一人は、大学で研究指導をしていただいた 片岡正喜 先生です。私は建築学の大学の出身で学生時代は建築構造や建築材料、建築環境、建築設計の勉強をしてきました。卒業研究で建築設計の研究室に所属し、そこではじめて片岡先生がご専門で勉強されていた『高齢者や障がい者に配慮した建築設計』という考え方を学びました。

私の進路のきっかけを与えてくれた先生です。

 

二人目は、大学院の修士論文で大変お世話になった 雨宮克彦 先生です。当時、認知症の方に配慮した施設環境を研究テーマにしていて、調査にご協力いただいた施設の施設長でした。雨宮先生は精神科のお医者さんで、まったく無知であった認知症について、医学的・福祉的見地からたくさんのお話をいただきました。

認知症の方の行動観察調査で、「質の高い介護があればどんな建築空間でもよいのではないか?」と感じていた時に、先生からいただいた「認知症の方は自分の人生を演じる『役者』、それを支える福祉専門職は役者を幸せな人生に導く『演出家』、あなた達の建築分野は役者が最高の演技ができるための『舞台職人』ですよ」という言葉は今でも忘れません。

私ののすべき事を与えてくれた先生です。

三人目は、直接、指導をいただいたわけではないので、私が勝手に『恩師』だと思っている 外山義 先生です。外山先生は高齢者の住環境研究の第一人者の先生で、理論だけでなくご自身で高齢者施設等を設計監修され、その理論を実証している大変偉大な先生でした。この先生の考えの中で『生命力を萎(しぼ)ませない施設づくり』の考え方は、生活空間としての施設に対して違和感を感じていた私にとって大変衝撃でした。先生の著書『自宅でない在宅 高齢者の生活空間論』(外山義著 医学書院)は、私の中で大切な書籍です。

私の考え方の方向性を与えてくれた先生です。

 

外山先生の著書

専門家でなくても大変わかりやすく、優しい言葉で書かれています。福祉の勉強に興味のあるみなさんにも、ぜひ読んで欲しい本です。 IMG_0026.JPG

 

残念ながら、雨宮先生と外山先生は若くしてご逝去されました。短い時間でしたが両先生に出会うことができたことは、私にとって生涯の貴重な財産です。

片岡先生も含めて、この3名の先生方は、私が大学に進まなければ出会うことのなかったであろう方々です。

 

臨床福祉学科にも、『福祉』という共通のキーワードでさまざまな分野の先生が教育・研究活動をしています。自分の人生を方向づけてくれる『恩師』と呼べる先生がきっといるはずです。

私も臨床福祉学科に入学し巣立っていく学生たちに、『恩師』として心にとどめてもらえるような大学教員を目指したいです。

臨床福祉学科 三宮基裕

哲学者のつぶやき 其の六

2013年10月23日

研究室のドアがノックされた。卒業生が顔をのぞかせる。他の先生のブログでもよく見る光景である。九保大は教員と学生の距離が近い。他学の学生からはうらやましがられることが良くある。

写真の女性たちは6年前に卒業し、福祉のこころで社会貢献している3人である(左から2人目だけ、本学教員「川﨑順子(よしこちゃん)先生」であるのでお間違えなきよう)。

しかし昔から「女三人よればかしましい」というように、日ごろは静寂に包まれている栗栖研究室が、途端に華やか、賑やかになった。写真の哲学者も苦笑い風である。それにしても皆、気持ちの良い笑顔である。いっぺい先生の専門分野である東洋医学の「陰陽論」になぞらえれば、母校という「帰る場所」の存在によって、社会という場所を認識し、そこへ笑顔で出ていけるのかもしれぬ。・・・ん・・・つぶやきも六回目にして、とうとう教訓めいたことをつぶやくようになってしまった。これでは「つぶやき」の本筋から離れてしまう。いかん。いかん。華やかな陽気に飲まれたようだ。つぶやきは、すなわち、有るがごとく無きがごとく。

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「九保祭」をご存知ですか?

2013年10月21日

11月2日(土)・3日(日)に九州保健福祉大学の学園祭「九保祭」が開催されます。

 九保祭では、絵画や書道等の展示コーナー、模擬店での飲食品販売、屋外ステージでのバンド・楽器演奏やダンスなど、毎年、さまざまな楽しい催しあります。

 

  黒須ゼミの学生は、地域の障がい者グループ「エンジョイ・アクション」のメンバーと合同で、九保祭にて模擬店「たこやき屋さん」を出します!

 

 10/17は、11/2・3の模擬店の前売り券発売開始日でした。

「エンジョイ・アクション」と合同で模擬店を出す黒須ゼミ3年生は、学食前で「たこやき」(前売り券¥250円、当日¥300)を販売しました。

 

前売り券販売風景(学食前)

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 他のゼミやサークルも、揚げアイス、クレープ、肉巻きおにぎり、うどん・・・・といろんな模擬店を出すようで、学祭当日が楽しみです!

 なお、11/2日(土)には”サザンオールスターズをこよなく愛するトリビュートバンド”「KAWAMURA  BAND」によるステージが開催される予定ですよ!

 

 みなさん、九保祭にぜひ来て下さいね。

 中学生や高校生の方にとっては、大学の雰囲気を知ることができると絶交のチャンスだと思いますよ!

(臨床福祉学科 黒須依子)

やられたら、やり返す。倍返しだ!

2013年10月15日

こんにちは。臨床心理専攻教員の横山裕です。

私ごとですが、47回目の誕生日を迎えました。

高校生の皆さんにはなかなかピンッとこないでしょうが、47回目ともなると自分でも誕生日だとはなかなか気がつかないんですよ。

今年もすっかり忘れていたら、横山ゼミ4年生の皆さんにサプライズやられてしまいました。

夏休みにした精神保健福祉士の現場実習、海外(インド、中国、フィリピン)自主研修、就職活動のゼミ報告会を兼ねた食事会をするからというので、すっかり報告を聞くことばかりを楽しみにして参加したのに、実際に途中までは、実習中での利用者さんとの交流話やガンジス川の氾濫の話や就職試験にでた難問の話などを楽しく聞かせてもらっていたのに……。(詳細は次回のブログで)

ゼミ生のSさんが、いま思えばわざとらしくお手洗いだと言って部屋をでていったところでみんなの怪しい雰囲気に気がつかなかった私の負けなのですが。

まさか、あんなに大きなBirthday Cakeとともにもどってくるとは、しかも間髪入れずにみんながHappy Birthdayを歌いだすとは、ハイ、完全にやられました。

誕生日は自分がこの世に生まれてきた記念日なので、やはり誰かに祝ってもらうと、大げさで申し訳ないですが、自分の存在価値というか、自分が生まれてきた意味を認めてもらっている実感がしてすごくうれしいものです。

正直に言って、もう少しで私も泣きそうでした(加齢とともに涙腺もゆるくなるんですよ)

このお礼は、卒業までの残りの日々を使って、卒論指導と国家試験対策指導でたっぷりとお返しさせてもらうおうと思っています。

こんなこともある大学って、ホント楽しいです!

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ケーキの写真を撮っておけば良かったのですが、あまりに美味しそうだったので、写真を思いついた時には既に胃袋のなかでした。かわりに、もらった色紙を載せます。これももらった時はウルウルきて危なかったです。

古書店に行こう

2013年10月 7日

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写真は駅前商店街の山下新天街にある佐藤書店から購入した『世界の名著』です。

全巻揃いだとそれなりの値段になりますが、写真のように欠本があると割安になります。

この全集の場合、20巻、50巻、66巻の3冊がありません。

 この3冊が何か知りたいですよね?

興味のある方はネットで検索してください。

  

また、この全集は人気があり、臨床福祉学科の他の先生方の研究室にもあります。

こちらも興味のある方は研究室巡りをして自ら見つけてください。

最初に予想してから巡るのも楽しいかもしれません。

  

学生にとって古本屋さんはとてもありがたい存在です。

  

まずその第一は、「安さ」です。特に出入口前に置かれた特価本台は衝撃的です。

1冊20円から100円という安さです。

もちろん、すぐに必要な本はなかなかないのですが、その学問分野を研究する上で必要になる基礎的な文献は結構あります。

 

第二は「新発見」の醍醐味です。

この醍醐味は2つあって、一つは探している本を見つける、もう一つは偶然の発見です。

初めて訪問する古本屋さんの場合は探している本の収穫が多いです。

山積みになっている場合は隅々まで探りましょう。

時間は掛かりますが納得の成果が得られます。

偶然の発見は、それこそ偶然なんです。

探していた本ではないんですが、ふと目に入ってくるんですね。

で、ぱらぱらと頁を捲るとこれが面白い。

 

と言う訳で古書店に行きましょう。

 

因みに、第54回 東京名物神田古本まつりは2013年10月26日(土)~11月4日(月・祝)です。

 

高橋直也

哲学者のつぶやき 其の五

2013年10月 4日

研究室の外ではヒグラシが鳴いている。哲学者はその日グラシだ。大学は実習、試験あるいは特別講義期間である。哲学者は十月から始まる後期講義に向けて資料を作成する毎日である。つまり、嫌でもパソコンとにらめっこすることになる。
フと、パソコンのピクチャー・ファイルを覗いてみた。いっぺい先生は写真も趣味であるから、当然ながら哲学者に関する写真も撮りためている。そんな中で哲学者が主催する「栗栖杯ボーリング大会」の写真がでてきた。延岡に赴任してきた頃、「栗栖杯と名前をつける」とか、「大会会長だから」とか、いっぺい先生にそそのかされて優勝カップを購入した。それ以来、介護福祉士や社会福祉士を目指す学生と教員を対象に細々と続いている大会である。そういえば、今年はまだ未開催だ。こういった大会を継続するためには、瞬発力が必要だ。当然、哲学者に瞬発力などあるハズもない。ただ、どういう訳か続いている。慣性の法則か?惰性か?ともかく、今年も「誰か」が瞬発力を発揮して開催にこぎつけるのを横から眺めて楽しみたいものだ。

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