保健科学研究所のプロジェクトテーマは「健康と生活機能向上の支援システムおよび訓練技術の開発」であり、9つの研究課題を進展させ、同時に産学共同事業、人材育成事業、成果公開事業を実施してきた。
1:生活機能とQOLとの関連および評価法の
開発(福本安甫)
2:免疫機能がQOLおよび生活機能に及ぼす
影響(池脇信直)
3:QOL向上を目指した運動プログラムの開
発(樋口博之)
4:視機能と生活機能との関連および評価法
(深井小久子)
5:生活機能向上のための視機能矯正法の開発
(内田冴子)
6:生活機能向上のための視機能矯正補助用具
と支援システムの開発(内川義和)
7:言語発達からみた生活機能評価(倉内紀子)
8:口腔・咀嚼機能が及ぼす生活機能への影響
(三浦宏子)
9:生活支援のためのコニュニケーション機器
と支援システムの開発(山田弘幸)
なお、研究概要については、保健科学研究所のウェブページ内の「研究活動内容」(http://www.phoenix.ac.jp/qol/hoken/activity.html)に掲載した。
開催日時:平成17年9月22日・23日、10:00〜17:00
会場:延岡総合文化センター
保健医療に関する事業に共同参画し、「聴力測定コーナー」の運営および聴覚補償機器(補聴器、人工内耳)等の展示、「認知症予防に関連した生活の見直し」と「関節拘縮の矯正」に関する写真展示、視機能関連の福祉用具の展示を実施した。
聴力測定コーナーでは、診断用オージオメータ(聴力検査装置)を用いて言語聴覚士が希望者の聴力測定を行い、聴こえに関する相談等に対応した。2日間で約40名の利用があり、測定結果をもとに言語聴覚士が聴こえについてのアドバイスを行ったり、質問や相談に応じたりもした。
展示では、補聴器、人工内耳の他に、各種の聴覚障害用機器等の展示も行った。来場者に対して展示品の説明を行ったり、聴こえやことば等に関する質問や相談に応じ、聴こえやことば、コミュニケーションの大切さ等に関する啓発活動を行った。
認知症予防に関し、「職業意識」、「性格」、「家庭環境」、「認知症の理解度」などの項目それぞれ11の質問票を使用し、「ある・なし」で答えていき、自分の生活、仕事など見つめ直すことを主眼に、よりよい生き方をするためにはどうしたらよいのかを提案した。
認知症の問題はますます大きな社会問題となることは否定できない。今後、認知症予防の視点で、必要な方策を産学共同で作り上げていくことが必要である。
視機能関連の展示については、視力障害者の視能を向上させる「弱視眼鏡」、「拡大読書器」、「遮光眼鏡」、「大活字本」、および新近用コントラスト視力表を展示した。また見学者に対して保健科学研究所の研究員が器械・器具についてシミュレーションや使用法を説明し、視能福祉用具についての相談にも応じた。
開催日:平成17年11月25日(金)
会場:岡山プラザホテル(岡山市)
岡山理科大学主催のOUSフォーラム2005において、高齢者のQOLを創るための形態覚測定法に関する研究「新近用コントラスト視力表の開発」をポスター展示した。当日は、福祉・介護・医療ステーションにて、研究内容についてのプレゼンテーションおよび個別説明を行った。
QOL研究機構設立準備段階である2000年11月に、外来相談システム"ハロー"を九州保健福祉大学保健科学部(言語聴覚療法学科)内に開設し、宮崎県北部地域に在住する言語聴覚障害児・者に対して、言語聴覚リハビリテーションを実施してきた。今回、QOL研究機構設立に伴い、より専門性の高い支援の提供に向けて、外来相談システムの一層の整備を行った。
2005年4月から2006年2月10日までに外来相談システムを利用した者は54名(男性36名、女性18名)であり、その内訳は新規利用者18名(男性11名、女性7名)、前年度からの継続利用者36名(男性25名、女性11名)であった。
利用者54名の年齢は0歳3か月から60歳の範囲であり、その内訳は、6歳以下が36名、7歳から12歳が11名、13歳から18歳が1名、18歳以上が6名と、就学前の小児の占める割合が高かった。地域別では、延岡市40名、日向市5名、東臼杵郡5名、県央・県南2名、県外(大分県)2名であった。
また、新規利用者18名の紹介元は、保健機関4名、医療機関3名、知人2名、教育機関1名となっていた。
主たる言語聴覚障害の種類は、聴覚障害14名、言語発達障害13名、吃音7名、広汎性発達障害5名、失語症4名、機能性構音障害4名、器質性構音障害2名、その他(境界域など)5名であった。2005年度の特徴として、人工内耳装用児、軽度発達障害児など、高度な専門的対応を必要とする利用者が増加したことがあげられる。
本学卒業生の就職などにより近隣の医療、福祉、教育機関に言語聴覚士が配置されるようになった。本学の外来相談システムの役割は、開設当初の言語聴覚リハビリテーションの普及からさらなるネットワークの構築へと発展的に変化してきているといえよう。
平成17年度は外部研究員を3名受け入れ、研究また高度専門職の育成を行ってきた。大学学部学生に対して、QOL研究棟を利用し特別課題研究の授業を行った。
平成17年度は、第1回公開講座(一般向け)、第2回公開講座(専門職業人向け)を実施した。
日時:平成17年7月24日、14:00〜15:15
会場:九州保健福祉大学B-1号棟講義室2
一般向けの公開講座として、「健康を守る免疫システム」(池脇信直)、「高齢者のQOV(視覚の質)」(吉弘和展)「運動と日常身体活動からみた健康づくり」(樋口博之)の3テーマについて、発表および質疑応答を行った。
日時:平成17年7月31日、10:30〜15:30
会場:九州保健福祉大学N-5号棟 講義室23
専門職業人向けの公開講座として、二唐東朔氏(弘前大学医療技術短期大学部 名誉教授、財団法人 シルバーリハビリテーション協会 学術顧問)の講演を一般公開した。
抄録:従来の国際障害分類(International Classification of Impairment, Disability and Handicap(ICIDH))から2001年5月にWHO総会で国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health; ICF) が採択され、我が国においても2003年から実施にうつされた。
今回の改訂の特徴は「疾患(病気)」を「健康状態」へと拡大定義したことである。このことで、疾患、外傷、遺伝的素因、先天異常は勿論、妊娠、高齢、ストレスなど広い範囲を「健康状態(病気)」として扱うことになり、これらへの対処法も、疾患から派生する障害というマイナス面をプラス面へと転換して構築されたので、障害者の残存機能をいかに活性化するか、いかに引き出すかに取り組み、スムーズに社会参加へ導いていくかに重点がおかれる。
講演では、ICFの概要を述べた後に、こうしたリハ環境の変化の中で、今後、視能訓練士がどのように取り組み、対応し、対処をしていくべきかについて述べる。
日時:平成17年10月17日 午後5時〜6時30分
対象者:看護師40名、言語聴覚士5名
口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防効果があるため、急性期の脳卒中患者に対しても実施されることが多い。
本研修会では、主に急性期医療に携わる看護師ならびに言語聴覚士に対して、口腔観察のポイント、口腔ケアのためのアセスメント法ならびに実際の口腔ケア手技における留意点、口腔ケア用具の選択等について、臨床的見地より解説を行った。
また、講演後の質疑においては、舌苔の除去、開口困難な患者に対して口腔ケアを行う際の注意点などに関する質問が寄せられた。
日時 平成17年10月16日(日)
場所 呉市ビューポート呉
対象 呉市を中心に広島県内の眼科スタッフ約170名
患者満足と患者のQOVLを眼科スタッフ全員でいかに創るかを患者の声から、QOVLとは何か、又どのように創るかについて21世紀の医療の視点から第1回呉地区眼科スタッフブラッシュアップセミナーにて講演した。
日時 平成17年11月13日(日)
場所 サンポートホール高松5F 第2小ホール
対象 中国四国眼科医及び眼科スタッフ 約400名
市民により良い医療の提供と眼科医療の正しい知識の普及に必要な眼科関係者の教育に関する研究会(第16回中国四国眼科スタッフ教育講習会)にて研究成果に基づく講演を行った。患者によるアンケート調査の結果では、9診療科中眼科での満足度は最下位であるという結果が出た。そこで患者様満足を眼科スタッフ全員でいかに創るかについて次の4視点から講演した。
即ち、T.患者さまの声から、U.医師の立場から、V.眼科医療は視脳学、W.21世紀の医療の視点から講演した。患者満足を創る最終目標は患者のQOVLとQOLを眼科医、眼科スタッフで創ることであることとし、QOVL、QOVについてICFの意義を説明した。
また、最近の知識として個人情報保護法、EBM、インフォームドコンセント、セカンドオピニオンなどについても解説し、それぞれの専門性の発揮、視機能学は視脳学、情報の共有、チーム医療の中心でのコミュニケーションのあり方、社会の変化を知り視線は常に患者にたむけることで、QOLを創ろうと結ばれた。
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