医療薬学研究科 医療薬学専攻 博士課程(4年制)

臨床現場において指導的立場に立てる薬剤師を養成する

特別研究 研究指導教員の研究領域

1 前田 和彦 教授

これまで脳死からの臓器移植、安楽死、尊厳死、医療過誤等において、臨床上の医療従事者の倫理観と法的責任について研究を進めてきた。近年は、従来の研究に加えて、医療従事者(薬剤師を中心として)の資格法上の業務範囲と実際の医療現場での業務範囲との適合を現場のリサーチ等から比較検討し、医療従事者に必要な倫理観と対応する法制度の再構築を図るべく研究を進めている。薬剤師等の医薬品使用の安全性等は、対応する専門職の臨床に特化した倫理観とそれを支える法制度の適切な相関関係の中にあるべきとのことを導き出すのが研究の主眼である。

2 佐藤 圭創 教授

これまで、新規酸化ストレスマーカーの研究として、新規フリーラジカル捕捉剤を用いた電子スピン共鳴有機溶媒抽出法(特許出願番号2008-57368)を開発してきた。さらに、この方法論を用いて、急性肺障害、緑膿菌肺炎、炎症性腸炎などの各種疾患動物モデルでの酸化ストレス病態の解析、ヒトインフルエンザ症例での酸化ストレス状態の解析を行っている。これらの最先端の研究には、酸化ストレス関連の手技だけでなく、大学院生として必要な、細胞培養、免疫組織化学染色、ウエスタンブロット、PCRなど分子生物学的手法を学び、さらには、研究結果をもとに試行錯誤することで問題解決能力の育成を目指している。

3 比佐 博彰 教授

これまで神経・体液性腎臓機能調節機構および副腎カテコールアミン放出機構の解析を進めてきた。近年は、虚血再灌流による臓器障害の発現機序と治療薬の探索に加え、ヒト心臓バイパス手術におけるバイパス血管のセロトニン誘発れん縮を増強するリスクファクターの解明を進めている。研究方法として、血管収縮反応測定のためのマグヌス法、組織免疫染色、ウエスタンブロット、ノザンブロット、PCRなど分子生物学手法を用いている。

4 山﨑 哲郎 教授

これまで生理活性化合物の探索を目的として、尿素誘導体やエンヒドラジンを出発原料とした窒素原子、酸素原子、イオウ原子等を含む4~7員環の新規複素環化合物の合成および合成法の開発研究を進めるとともにペプチド合成に必要な脱水縮合剤の合成研究を行ってきた。近年では、遺伝子をターゲットとした新たな機能性核酸誘導体のモノマー、オリゴマーの合成研究ならびに生理活性を有する新規ジペプチド誘導体の合成研究を進めている。

5 髙村 徳人 教授

これまで血清中のヒト血清アルブミン(HSA)およびα1-糖蛋白質(AGP)の薬物結合サイトの結合能と薬物生体内分布の関連やサイトの微環境変化およびHSAの抗酸化能についての研究を進めてきた。近年は、HSAおよびAGPの結合サイトの経時的な結合変化を患者血清から直接測定するための手法を開発し、その結果に基づき鎮痛薬の効果的な投与方法の臨床応用を可能としている。さらに病態評価のためのフィジカルアセスメントの手法も取り入れている。これらの経験をもとに、HASやAGPの解析法および臨床応用についても修得する。研究手法としては、HPLCや円二色による分析法および蛍光プローブ法やUV吸収差スペクトル法などを用いている。

6 山本 隆一 教授

これまで電位依存性Naイオンチャネルやインスリン受容体の細胞膜発現調節機構、また血管平滑筋や瞳孔平滑筋緊張を調節する細胞内シグナル伝達経路の研究を進めてきた。近年は、心臓バイパス手術におけるヒトバイパス血管のセロトニン誘発れん縮を増強するリスクファクターの解明を進めている。研究方法として、血管収縮反応測定のためのマグヌス法、組織免疫染色、ウエスタンブロット、ノザンブロット、PCRなど分子生物学手法を用いている。

7 松野 康二 教授

これまで “健康と環境との係わり”に関する研究を進めてきた。主な研究領域は、毒性学、公衆衛生学、環境科学、産業衛生学であり、薬毒物および有害化学物質の安全性評価、体内動態解析、遺伝子多型(個人差)による安全性評価および生体影響(作用機序)の解明に取り組んできた。また、近年は、化学物質の安全性評価のためのバイオマーカーの検索および農産物中の生理活性成分の検索も進めている。研究を通して、薬毒物の安全性評価のための手技・手法も修得する。研究手法としては、種々の機器分析技術を用いている。

8 黒川 昌彦 教授

これまで伝統医薬物やサプリメント等から新規抗ウイルス薬の開発やウイルス感染病態および宿主感染免疫防御機序の解析に関する研究とともに、遺伝子治療への応用に向けたウイルスベクターの基礎研究を進展させてきた。近年は、これらの研究に加えQOLの維持・増進に貢献できる研究として、ウイルス感染動物を用いて、胎児期・新生児期環境化学物質暴露やメタボリックシンドロームによる感染症増悪化現象の立証とその解析研究を進めている。研究方法として、種々のウイルス感染動物や培養細胞を用いて、病態解析を基盤としてウイルス学的、免疫学的、生化学的、分子生物学的な種々の手法を用いて、感染病態変化を遺伝子レベルで解析している。

9 横山 祥子 教授

これまでにプロスタグランジンなど不安定な薬物の分解反応を速度論的に解析し、生体内界面活性物質を使った安定化を報告した他、新規抗腫瘍活性化合物OSW-1の標的指向化を目的とした表面修飾リポソームを用いたDDS研究を行ってきた。最近では、原子間力顕微法(AFM)の手法を用いて、生体膜表面でのシグナル伝達や細胞認識などの生体界面現象を解明するとともに、生体膜と薬物の相互作用というテーマで薬物の分布状態、選択的集積性の有無、薬物活性、副作用などを目で見える画像として捉えることにも取り組んでいる。

10 鈴木 彰人 教授

これまで、薬物血中濃度解析および副作用モニタリングの手法を用いて、処方設計支援を中心とした医薬品適正使用に関する研究を行ってきた。近年は、日本を含めた主要諸国において、チーム医療で行う臨床栄養管理が重要視されるようになったことから、薬物療法のみならず栄養療法にまで視点を広げ、脳血管障害回復期における適正な臨床栄養評価の実施に関する研究を手がけてきた。現在はさらに、侵襲期、特に外科手術時の栄養管理について、新たな栄養指標として酸化ストレスマーカーを取り入れることを試み、生化学的手法を用いて栄養療法における個別化治療に貢献できることを目指している。

11 白﨑 哲哉 教授

臨床現場において指導的立場に立てる薬剤師には、医薬品の品質、安全性、有効性を含めた様々な業務上の専門性の高い問題に対処するために、問題点を抽出し検討課題を設定する能力、課題遂行の手法を選択し実施する能力、検討結果を客観的に評価し総括する能力、さらに、成果を公表し社会に還元する能力が求められる。博士論文の作成は、それらの能力を培い本研究科が目指す有能な指導的立場に立てる薬剤師養成に不可欠なものである。さらに、特別研究で作成する博士論文は、それ自体、社会への貢献において学術的な新規性が求められる。そこで特別研究では、院生が将来の進路に捉われることなく、純粋な学術的興味に従い、各研究指導担当教員が取り組んできたこれまでの研究テーマを参考に討議を重ね、研究指導担当教員を決定する。博士論文の主題は、研究指導担当教員の指導の下、医薬品の品質、安全性、有効性の独立した3群の区分に捉われることなく決定することとし、高いレベルの学術論文を作成する。

12 河内 明夫 教授

これまでめまい・平衡障害の発現機構およびGABAやグルタミン酸受容体の関与やその治療薬の探索を進めてきた。近年は、医薬品適正使用支援のための二次元コードお薬手帳鑑査システムの開発に加え、保険薬局薬剤師業務に関する薬学教育やその学習意識構造の解析、一般生活者に対する啓発教育など臨床薬学・社会薬学に関する研究を進めている。研究方法として、ソフトウェアSPSS・AMOSを用いた共分散構造分析など統計学的解析手法を用いている。

13 徳永 仁 教授

これまで医薬品の適正使用を目指した最適治療法と薬学的評価法に関する研究を進めてきた。具体的には、副作用の軽減を目指した薬物投与設計に関する研究、副作用を誘発する薬物の体内動態に関する研究及び薬学的評価に関する統計解析などである。方法としては、HPLC、原子吸光光度計、培養細胞によるトランスポート実験、MTT試験を用いている。

14 下堂薗 権洋 教授

これまで主に医薬品を適正に、そして安全に使用するために必要な医薬品情報を収集・評価・提供等を行う臨床薬学研究を行ってきた。その研究のために、様々な医療情報を利活用して医薬品の使用実態調査を行っている。具体的には、後発医薬品の使用、入院時の持参薬や外来処方せんの処方実態を明らかにし、その対応を研究している。さらに、様々な医療情報を利活用するために、処方せんの書き方とその用法、注射薬の手技などの標準化に関する研究を行っている。

15 大塚 功 教授

細胞表層に存在する糖鎖は細胞間情報伝達機構に深く関与しており、これら糖鎖の機能を化学的及び物理的見地からの解明を目指している。これまでに疑似細胞膜上における糖鎖を原子間力顕微鏡で観察することで、その物理的挙動を明らかにした。また、糖鎖認識機構を明らかにするための分子ツールを化学合成により開発し、レクチンとの相互作用解明を目指している。さらに天然由来糖脂質を化学合成することで、新たな糖鎖機能の解明や創薬に繋がる研究を行っている。

16 大倉 正道 教授

これまで緑色蛍光タンパク質(GFP)を用いた蛍光Ca2+プローブG-CaMPを開発・改良し、イメージングによる神経回路機能の研究を行ってきた。近年は、さまざまな蛍光プローブの開発・改良とそれらの病態モデル実験系への応用を通じて、発症の前兆となり得る微弱な細胞活動異常の検出、発症に至る過程での細胞活動の変容の解明を目指した研究を行っている。研究手法として、分子細胞生物学、生化学、薬理学、分子間相互作用測定、光学測定、蛍光イメージングなどを用いている。

17 木村 博昭 教授

私が薬学部に進んだのは、新しい薬を開発して、多くの人に貢献しようという考えからです。免疫・炎症反応に興味を持ち、薬学部の学生の時から炎症が関わる病態の発症機構を解明し、新規治療法を開発するために、マウスや細胞を利用して研究しています。免疫が関わる病態として自己免疫やアレルギーなどの疾患がありますが、最近、糖尿病などのメタボリック症候群や癌においても免疫が関与することがわかっています。数種類の遺伝子改変マウスや改変細胞を利用して、標的となる分子がどのように上記の疾患の病態に関わっているかを解明し、新規の治療法を開発する研究を行っています。

18 鳥取部 直子 准教授

これまで生活習慣病モデルラットにおける交感神経調節機構、また循環器系疾患モデル動物を使用した健康食品の安全性および副作用についての研究を進めてきた。近年は、心臓バイパス手術におけるヒトバイパス血管のセロトニン誘発れん縮を増強するリスクファクターの解明を進めている。研究方法として、血管収縮反応測定のためのマグヌス法、組織免疫染色、ウエスタンブロット、ノザンブロット、PCR など分子生物学手法を用いている。

19 蒲生 修治 准教授

これまで中枢機能、特に空間認知学習の形成に関わる因子の解明を行ってきた。近年は、培養神経細胞および神経幹細胞などを用いて、神経細胞の機能的成熟や分化調節機構などの研究を進めているほか、インスリンが血管や血小板の反応性に及ぼす影響についても研究を進めている。研究方法としては、学習行動を評価するための迷路行動実験、免疫化学染色、ウエスタンブロット、RT-PCRなどの手法を用い、動物個体から分子まで多角的なアプローチを行っている。

22 大塚 功 准教授

細胞表層に存在する糖鎖は細胞間情報伝達機構に深く関与しており、これら糖鎖の機能を化学的及び物理的見地からの解明を目指している。これまでに疑似細胞膜上における糖鎖を原子間力顕微鏡で観察することで、その物理的挙動を明らかにした。また、糖鎖認識機構を明らかにするための分子ツールを化学合成により開発し、レクチンとの相互作用解明を目指している。さらに天然由来糖脂質を化学合成することで、新たな糖鎖機能の解明や創薬に繋がる研究を行っている。

20 中 良弘 准教授

医薬品情報は医薬品の開発、製造、使用のあらゆる過程において存在しており、その量は膨大なものとなる。薬剤師が医薬品情報による薬物療法支援を行うためには、その膨大な量の情報の中から情報を必要とする人の目的に合わせて検索、収集、評価、選択、加工といった情報処理を行う必要があり、その情報処理を効率良く正確に行うことが求められている。特別研究では膨大な量の医薬品情報から必要な情報を効率的に抽出するための手法(ニューラルネットワーク、統計解析など)を検討し、実例と照らし合わせながら、薬物療法支援に適したデータ抽出法の研究を行う。

21 緒方 賢次 准教授

これまで薬物の治療効果を高めるための投与計画に関する研究を進めてきた。具体的には薬物血中濃度モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring: TDM)に関する研究、タンパク結合置換現象を利用した薬物の遊離型濃度を高めるための研究である。近年は、ヒトおよび病態モデル動物における薬物の体内動態と薬理効果の関係解析、フィジカルアセスメントの手法や非侵襲的に病態を評価できる医療機器を用いて薬物の体内動態の変化を簡便に評価する方法の開発に取り組んでいる。研究手法としては、動物実験、HPLCや蛍光プローブ法などを用いている。

22 田原 佳代子 准教授

医薬品の中には代謝物に強い毒性がある場合があり、生体内で反応性の高い代謝物を生成することが原因と考えられている。このような薬物について、生体内と同一の代謝物を効率よく生成し、検出する方法を開発してきた。生体内では、反応性代謝物が生体内分子と反応し(このことが毒性に繋がる)、反応性代謝物の単離は行えないため、生体外で薬物代謝物を生成できる電気化学反応を使ってアプローチしている。今後、反応性代謝物の構造や生体内分子との反応機構を明らかにし、毒性メカニズムの解明に繋げていく。

23 吉田 裕樹 准教授

これまで糖尿病などの肥満関連疾患に対する新規予防・改善法開発のために、脂肪組織・細胞や免疫細胞の炎症・機能制御に対する食品成分や天然物由来成分の有用性評価を行ってきた。さらに近年は、食品成分による免疫細胞の機能制御を標的としたアレルギー疾患の予防・治療法開発に関する基礎研究を進めている。研究方法は、実験動物や培養細胞を使い、生化学・分子細胞生物学・免疫学等の実験手法と用いる。これらの研究を通して、食品成分等の疾患に対する有用性評価と作用機序の解明を目指す。

24 甲斐 久博 准教授

これまで医薬先導化合物や機能性成分を開拓するために、成分報告の乏しい薬用植物や農作物などの天然資源から新規生理活性物質の探索を行ってきた。さらに近年は、メタボロミクスを基軸とした薬用植物の品質評価法を構築する研究に挑戦している。研究方法は、カラムクロマトグラフィーやHPLCを用いた分離精製、NMRやMSを用いた構造解析、培養細胞や酵素を用いた生理活性評価など広範囲に及ぶ。これらの研究を通して、天然資源含有成分の医薬品や化粧品への活用および高精度なスクリーニングツールの開発を目指す。

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