特別支援教育

2012年12月20日

 当初、自分が描いていた希望通りの道を歩める人生など、ほとんどない。自分の希望と異なる道を歩むことになろうと、歩むべき道を究める努力を続けていれば、当初の夢は形を変え訪れてくれる。人生とは不思議である。

 

メジャーリーガーのイチロー選手は、高校時代の交通事故が原因で、投手から野手への転向をすることになった。その後の弛まぬ努力と活躍は、皆が知るところである。活躍の結果、1996年に出場したオールスターゲームでは投手を務め、長年抱いていた夢のひとつを実現する。女優の北川景子さんは、高校時代、精神科医を目指していた。その後、進路変更し、女優の道を歩む。昨年、テレビドラマ「LADY―最後の犯罪プロファイル」では、主役として精神科医を演じ切った。

 

教育分野を志すみなさん、言語聴覚士という道を、ひとつ選択肢に入れてほしい。2007年から、わが国の障害児教育は、特殊教育から特別支援教育に移行した。文部科学省の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」には次のように書かれている。

 

障害の多様化を踏まえ、養護教諭、学校医等の学校内の人材の効果的な活用は今後ますます重要になるものと考えられる。さらに、学校内に限らず、医師、教育心理学者、教員の経験者など専門家を幅広く活用して障害に応じた適切な教育を行う必要がある。例えば、作業療法士(OT: Occupational Therapist)、理学療法士(PT: Physical Therapist)、言語聴覚士(ST: Speech Therapist等の専門家が指導に参画するほか、小・中学校においても専門家チーム(障害や障害のある児童生徒への指導等について専門的な知識等を有する者の集団で都道府県の教育委員会等に置かれるもの)が巡回相談などの形で学校の教育において有効に活用されている場合がある。このように学校内外の人材の総合的な活用を図るという視点が大切である。

 

 この文章からも、教育分野において、言語聴覚士という専門家が必要とされていることが分かる。現に、今年、宮崎県立延岡しろやま特別支援学校と九州保健福祉大学との間で連携協定が結ばれ、わが学科の教員も言語聴覚士として、週に1回、現場に立っている。「当初の夢は形を変え訪れる」。そんな言葉を思い浮かべながら、言語聴覚士の道を究めようではないか。

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