2012年6月 1日
このブログでたびたび紹介しています臨床福祉学科・福祉ビジネス専攻の専門科目「高齢者・障がい者の観光」で、高齢者や障がい者を対象にした観光プランを作成しました。
当然、学生はツアー企画など立てたこともないので、戸惑いながらも試行錯誤して個性豊かな提案をしてくれました。
提案1 聴覚障がい者のための観光計画
聴覚に障害がある方5人グループを設定して、長崎県のハウステンボスの2泊3日のツアーを企画してくれました。
耳が聞こえ難い分、目で景色を楽しむことや、おいしい食べ物を食べて幸せな気持ちになってもらい、普段の生活では味わえない経験をしてリフレッシュしてもらおうという内容でした。
聴覚に障害がある方は、一般に外見からは障害があることが解りにくいといわれます。しかし、とくに緊急時の情報伝達は音声によることが多く、災害時の対応が重要となります。
この提案では、専用の携帯電話を所持てもらい、緊急時にはメールで知らせるという工夫を考えていました。
提案2 視覚障害があるご夫婦の観光計画
視覚障害をもつご主人と奥様のご夫婦を設定して、2泊3日の沖縄ツアーを企画してくれました。
沖縄といえば青い海と空といった壮大な景色をイメージしますが、この学生は、自身が沖縄出身ということもあり、観ることができなくても風の流れ、香り、音楽などで沖縄独特の雰囲気を感じてもらえると話していました。観光はまさに『観る』ことが目的と考えがちですが、触覚、嗅覚、味覚でもその地域の魅力を感じてもらうことができるのだと、改めて感じさせられました。
その他、聴覚障害の方の韓国ツアー、車いすに乗る若者向けの大阪・京都の観光ツアー、高齢者夫婦の鹿児島観光、高齢者夫婦のための湯布院温泉の旅など、学生それぞれが趣向を凝らして企画をしてくれました。
この講義と演習で学んで欲しかったことは、『利用者の目線で考える』ということです。
物事を考えるときは、つい自分の主観で判断をしてしまいがちです。そのため、良かれと思って企画したことが結果的に押し付けになってしまうこともあります。
「障がい当事者にならなければ本当の気持ちはわからない」という言葉も耳にしますが、少しでもその方の目線に立とうという姿勢が大切なのだと思います。それでうまくいかなければ、「何が足りなかったのか」を振り返り、次に活かせばよいと思います。
企画内容としては十分なものではありませんでしたが、「利用者の目線で考える難しさ」を感じてもらえたことは、よい経験になったのではないかと思います。
福祉ビジネス専攻 三宮 基裕
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