MSWという職業

2016年2月 4日

皆さんはMSWという職業をご存じですか?メディカルソーシャルワーカーと言って医療の現場で働く社会福祉専門職のことです。

社会福祉と言うと、施設などの福祉の現場で働くことをイメージしがちですが、多くの福祉専門職は医療の現場で働いています。

医療の現場で働く福祉専門職はどんな仕事をしているのでしょう?それは、患者さんの生活を支える仕事です。具体的な例で説明しましょう。

あるMSW(仮名さくらさん)の仕事を紹介しましす。

さくらさんは、ガン(悪性腫瘍)を診断したり、治療したり、あるいは亡くなるまでに痛みや苦しみを取るための病院で働いています。

その病院では、若い人でもガンが発見される場合があります。まだ小さな子供のいるお母さん(仮名あやめさん)にガンが見つかりました。

ほとんどの場合、まずお母さんが考えることは「子供をどうしよう」ということだそうです。「これからの治療に向けて子供をどこに預けるか、だれが面倒を見てくれるか?」あやめさんがもし母子家庭だったら事態はより深刻ですよね。ガンに蝕まれているという身体の問題と、今まで通りの生活ができなくなると言う生活の問題を抱えてしまいます。お金はどうするのか、仕事はどうするのか。病気になったことと同じくらいその悩みは深いと思います。

体は医師など医療専門職が治します。MSWさくらさんの仕事は、生活の部門の悩みに対応することです。

あやめさんが子供と離れて治療を受けなければならない辛さ、自分や家族がこれからどうなっていくのかという不安など、そのような感情を受け止め、サポートしていきます。感情のサポートだけではありません。医療費助成制度や子供を一時的に預かってくれる施設等の社会保障制度についての知識を活かして、助言もします。もし身体機能の一部を失い、日常生活動作(ADLと言います)ができなくなればそのための支援、住宅改修や車いすの手配なども必要です。MSWさくらさんはそのためにもいろいろな役所や業者と連絡し合って、あやめさんの生活を支えていきます。これがMSWさくらさんの仕事です。

その他MSWの仕事は、この前まで放映されていたテレビドラマ「コウノドリ」にも少しだけ出ていました。気が付きましたか?そこではMSWは望まない妊娠で生まれた赤ちゃんを誰がどこで育てるかに関わり、出産したお母さんもサポートしていました。障害を持って生まれた赤ちゃんと家族へのサポートもします。

また高齢者の退院支援や転院(他の病院に移る)支援をします。介護が必要になる高齢者を支える最前線の仕事です。

今の日本は少子高齢化や家族規模の縮小と言った社会的現象が起きています。昔なら家族で相談、解決していた問題が相談できる人がいなくなっています。それに代わって今後活躍がますます期待されるのがソーシャルワーカーです。

先週末、MSWの初任者研修の講師をしてきました。本学出身者もいて「大学で授業をうけているみたい。」という研修になりました。実際この写真のような演習を授業で行っています。この方たちはすでに資格を取りプロとして働いているのですがこうやってされに自分の力を上げるためにさらに勉強しているのです。7人中6名が本学出身でうち3名は通信教育部で働きながら資格を取ったそうです。残る1名も本学の姉妹校の吉備国際大学出身でした。

彼らの熱心で真摯な態度から、本当に患者さんのためになりたい強い気持ちが伝わってきました。

山﨑きよ子

 

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