人の名前と顔は・・・

教員という仕事は,児童・生徒・学生の名前を一致して覚えることが生徒理解の第一歩だと思います。高校の教員だった頃,新学期はじめには,実力テスト(あるいは課題テスト)が実施されます。テスト監督割り当てが作成されるのですが,私は入れ替えてもらったりして,自分の担任クラスを集中的に監督しました。早く名前と顔を覚えるためです。番号順に着席していますので,監督しながら名前と顔を見ながら覚えていったことを思い出します。

最近は,顔と名前を一致して覚えることが苦手になってきました。特にコロナ禍でもあり,学生たちの顔が三分の一しか見えない状態ですので,ますます難しくなってきました。

さて,一度覚えた名前は記憶の底に残るであろうという話です。娘夫婦と男女1人ずつの孫と一緒に住むようになって2年が経とうとしています。変化の一つにテレビの幼児番組を見る機会が増えたことがあります。その中に,NHKの教育番組「ピタゴラスイッチ」があります。本当によく工夫された装置を作ってビー玉を転がしたり,世の中の不思議な仕組みを紹介したりしています。例えば,スーパーで見かける袋入りのピーマンはどうやって袋詰めされるかなど。大人でも知らないことや,「へ―そうなんだ」と勉強になります。この番組の監修者佐藤雅彦さんを見たとき,どこで見た記憶がありました。本棚を調べてみると,『佐藤雅彦の毎月新聞』がありました。

 

 

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2003年に発行されたもので,本の帯には『佐藤雅彦が毎日新聞で4年にわたり連載した,大人気の月1コラム,その名も「毎月新聞」。…』とあります。読み返してみると,例えば入試や国家試験のシーズンですが,「入試の心得」というコラムには,大学入試の監督者を前に学部長の挨拶が紹介されています。「儀礼的な挨拶が必要だろうか」と懐疑的に思っていたら,その学部長は「今日は,私たちと一緒に,これから4年間あるいはそれ以上一緒に勉強する仲間を選ぶ大切な日です。ひとりでも優秀な学生がくるように皆さんも緊張感を持って臨んでください」と話されたそうです。教員として,初心に戻り,肝に銘じなければならない言葉だと思いました。

本学の入試も,後期入試(一般選抜と大学入学共通テスト利用)とAO入試が残っております。仲間となって一緒に勉強しましょう。

臨床福祉学科 長友道彦でした。