順正学園九州医療科学大学免疫学研究所
機能性多糖体「β-グルカン」を用いた臨床栄養サポートについて有望な研究成果を国際学会で報告
順正学園九州医療科学大学免疫学研究所(所長 池脇信直教授)は、機能性多糖体「β-グルカン(商品名:ニチブライト)」(写真)を用いた臨床栄養サポートに関する学外共同研究を社会医療法人近森病院(高知市)と進めています。
β-グルカンの投与で、すい臓がんの外科的切除を受けた患者の免疫力が向上し、平均生存期間が改善したとの研究成果が、米国臨床腫瘍学会「ASCO®Breakthrough」(First Author: Dr. Abraham S.)で発表されました。九州医療科学大学免疫学研究所と近森病院栄養サポートチーム、消化器外科チームによる共同研究で明らかになりました。
β–グルカンには、免疫系を改善し腫瘍サイズを縮小する基礎研究のデータがあります。今回の研究では、近森病院において、すい臓がん手術の1日前から術後21 日目までの期間、β-グルカンを投与しました。有害反応はなく、感染防御のIgA抗体の改善、がん幹細胞(CD44細胞)の減少、腫瘍マーカーであるCA19-9の低下、平均生存期間の改善など、β-グルカン投与の良好な結果が確認されました。将来はβ–グルカンを日常的な栄養補助食品として、外科手術を受ける患者の臨床栄養ガイドラインに記載することが推奨されます。
九州医療科学大学免疫学研究所は、研究所のリソースを最大限に活用しながら、これからも教育現場、医療現場、さらには世界に向けて情報を発信してまいります。 本研究は、近森病院倫理審査委員会承認(No.266)と本学倫理審査委員会承認(No.18-024)において実施されました。また、本研究の成果は第31回「みやざきテクノフェア:11月8日(金)~9日(土)開催」に出展予定です。
β-グルカン(商品名:ニチブライト)
【発表論文Review】