学部・大学院・別科

臨床心理学科

[心理・福祉コース/言語聴覚コース]

コース紹介

心理・福祉コース

心理・福祉コース

臨床心理学を基礎から学び、子どもたちをふくむ現代に生きる人々が抱えがちな“こころ”の問題に寄り添う知識を身につけ、公認心理師や社会福祉士としての活躍をめざします。学びには「公認心理師」国家資格を得るために省令が定める4年制大学での履修科目がふくまれており、卒業後の大学院進学や実務経験を経て、国家試験に臨むことができます。

言語聴覚コース

言語聴覚コース

脳関連の疾病や頭部外傷、発達に関する問題などにより、発語や聞こえ、嚥下(飲食物の呑み込み)等の機能が低下した人に訓練指導を行う言語聴覚士をめざして学びます。

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3つのポリシー

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卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

臨床心理学科(以下、「本学科」という)では、本学の課程を修め、124単位の修得と必修等の条件を充たし、保健・医療・福祉・教育・司法・産業領域の現場のニーズに対応ができる専門知識・技術を修得し、実践力を備えた人材として、下記の力を身につけた人に対して学位を授与します。

1.専門職としての基本的態度

専門職として、思考力、洞察力、判断力、豊かな人間性と倫理観を身につけ、社会や他者のために責任ある行動をとることができる。

2.コミュニケーション能力

課題を抱えた人々や、地域、協働する各機関や多職種等とコミュニケーションを図り、適切な支援や連携を取ることができる。

3.実践力

支援が必要な対象者や地域社会に対し、専門的な知識や技術を駆使し、情報収集や検査等により、保健・医療・福祉・教育・司法・産業各領域の問題を分析・的確に把握し、解決法や支援プログラムを導き出していくことができる。

4.社会貢献力

保健・医療・福祉・教育等に参画・連携し、社会的に課題を抱えた地域・人々に対して貢献することができる。

5.自己研鑽力

保健・医療・福祉・教育・司法・産業領域の進歩と改善に対応するため、研究等を通じ、社会や各領域の現場の動向を把握し、生涯にわたり自己研鑽を続けることができる。

6.問題発見・解決力

常に問題意識を持ち、問題意識を解決するための視点を、研究を通じて持つことができる。

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教育課程編成の方針(カリキュラム・ポリシー)

本学科は、建学の理念および卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げた目標を達成するために、次のような教育内容と方法を取り入れた授業を実施し、教育評価を行います。各コースで、保健・医療・福祉・心理専門職・としての業務に必要な基礎的知識・技能・態度に加えて、保健・医療・福祉・教育・司法・産業領域の現場をイメージした業務内容に対応した知識・技術・態度を身につけることを目的に、カリキュラムを構成しています。各コースで、履修系統図およびモデルカリュラムを示し、個々の学生が目的とする資格取得のための道筋をわかりやすく明示します。

1.教育内容
  • 基礎共通科目を通して、幅広い教養および専門職としての思考力、洞察力、判断力、豊かな人間性と倫理観、コミュニケーション能力を養います。
  • 専門基礎科目を通して、専門職に必要な人の身体や心理にかかわる基礎知識と技能の獲得を図ります。
  • 公認心理師系科目を通して、公認心理師法に基づく公認心理師になるための心理学の高い専門的知識と技能の獲得を図ります。
  • 社会福祉系科目を通して、社会福祉法に基づく社会福祉士になるための社会福祉学の高い専 門的知識と技能の獲得を図ります。
  • 言語聴覚療法専門科目を通して、言語聴覚士法に基づく言語聴覚士になるための言語聴覚療法の高い専門的知識と技能の獲得を図ります。
  • 専門分野関連科目を通して、アニマルセラピー、レクリエーションなど全ての人の健康にかかわる豊かな専門性を学びます。
  • 総合科目を通して、保健・医療・福祉・教育・司法・産業各領域に対して、常に問題意識を持ち、問題を解決するための視点の獲得を図ります。
2.教育方法
  • 専門教育科目では、主体的な学びの力を高めるために、アクティブラーニングを取り入れた教育方法を実施します。
  • 専門教育科目では、形成的評価を実施し、適宜フィードバックを行います。
  • 公認心理師の資格取得のための「心理実習」では、保健、医療、福祉、教育の現場を通して、公認心理師としての基本的な知識、技術について学び、課題の発見から解決能力の育成をはかります。
  • 言語聴覚士の資格取得のための「学外評価臨床実習」「学外総合臨床実習」では、保健、医療、福祉の現場を通じ、言語聴覚療法に関わる支援について学び、かつ、生涯にわたる自己研鑽をするための姿勢を身に付けます。
  • チューターとの面接を各年次で実施し、自己学習や実習の「振り返り」を行います。
3.教育評価
  • 公認心理師、言語聴覚士、社会福祉士に必要な演習・実習の履修に当たっては、所定の科目の合格を求めます。
  • 2年次のGPA及び2年次までの単位の取得状況を評価し、所定の条件を満たした学生には臨床福祉学演習の履修および卒業研究の着手を認めます。
  • 心理・福祉コースの4年間の学修成果は、卒業研究(必修)によって行い、複数教員によって評価ルーブリックを活用し総括的評価を行います。
  • 言語聴覚コースの4年間の学修成果は、学外総合臨床実習、卒業研究(専門ゼミⅢ)と重点試験(専門ゼミⅣ)によって行い、複数の教員によって総合的な評価を行います。

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入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー)

本学科は、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)及び教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に定める教育を受けるために必要な、次に掲げる知識・技能や能力、目的意識・意欲を備えた人を求めます。

1.求める学生像
  • 医療・保健、福祉、教育領域等の専門性の高い仕事に就く意欲がある人。
  • 他人と協働して活動や学習をすることに進んで参加できる人。
  • 広い視野を持ち、専門性を活かして地域や個人に対し貢献することができる人。
2.入学までに修得すべき学力・能力
  • 高等学校の教育課程を幅広く修得している。
  • コミュニケーションの基礎となる、言語能力、表現力、共感性、協働する力などを身に付けている。
  • 視野を広げるための旺盛な好奇心、挑戦する意欲、積極的な実行力などを身に付けている。
  • 専門的な知識・技能を学習するための基盤となる、聴く力、読む力、書く力、表現する力を身に付けている。

取得できる主な資格の内容と活躍の場

心理・福祉コース

言語聴覚コース

※公認心理師は大学院進学または実務経験が必要。

現代社会が求める「カウンセラー」に必要な心理学の専門知識と技能をもつことを示す国家資格。主な職域となる病院の精神科や心療内科では医師の指示によって“うつ”をはじめとする精神疾患のアセスメントや個人療法・集団療法を行います。スクールカウンセラーとして“いじめ”や不登校などの問題に対応することも期待されています。

※大学院への進学または実務経験が必要


●社会福祉士

疾病や障害、貧困などの問題を抱え、日常生活を営むのが困難な人々の社会福祉に関する相談に応じ、援助するための国家資格。医療機関や福祉施設、地域社会で「ソーシャルワーカー」と呼ばれる人の多くは、社会福祉士の資格を取得しています。


◯認定心理士

心理学の基礎を学び修めたことを日本心理学会が認定する資格。心理学系の所定科目を履修すると大学の卒業に際し、「認定心理士」の資格申請ができます。また、臨床心理学は社会のあらゆる場面で活用できるため、一般企業の営業・販売業務などにも役立ちます。


◯准学校心理士

所定の心理学系科目を履修し、申請すれば卒業と同時に「准学校心理士」の認定資格が取得できます。これは学校生活での多様な問題について、学校心理学の観点から教育的援助を行う専門的な知識と技能をもっていることを一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する「学校心理士」に準じる資格であり、同認定試験の受験資格取得につながります。

○社会福祉主事* ○レクリエーション・インストラクター

 

●国家試験受験資格が得られる資格・免許 ○卒業時に得られる資格・免許(*任用資格)

カウンセラーの職務

学校、医療、福祉、司法、産業などを職域に、子どもから高齢者まで現代に生きる人々が抱えがちな“こころ”の問題に寄り添うのがカウンセラーの職務です。精神科や心療内科では医師と共に多様な心理療法に関わります。また、カウンセラーが担うのはアセスメントと心理面接であり、それは困難を抱える方々の“こころ”を理解し軽くすることに他なりません。

●言語聴覚士

脳卒中をはじめとする疾病や頭部外傷、発達に関する問題などにより、発語や発声、聞こえ、嚥下(飲食物の呑み込み)等の機能が低下した人を対象に、評価や訓練指導を行うリハビリテーション系の医療職(国家資格)。病院ではチーム医療の一員として医師や看護師などと協働、対象者のADL(日常生活機能)やQOL(生活の質)の向上に努めます。


言語聴覚士の職務ST / Speech-Language-Hearing Therapist

疾病や外傷などによる脳機能の低下によって会話が困難になった方、飲食物がうまく呑み込めなくなった方、そういった方々のリハビリテーションを支援するのが言語聴覚士の職務です。主な職域は医療機関や福祉関連施設です。また、突然“ことば”を失った方の精神的なダメージをケアするメンタルアプローチのスキルも必要であり、臨床心理学科で学び培う心理学の基礎知識が大いに役立ちます。

活躍の場

  • 心理・福祉コース

    • 学校 スクールカウンセラーなど
    • 総合病院 内科・産科・小児科 地域連携室など
    • 精神科病院
    • 児童福祉施設 児童養護施設 児童相談所 障害者支援施設など
    • 高齢者福祉施設 老人保健施設 特別養護老人ホーム デイケアセンターなど
    • 家庭裁判所
    • 行政機関 社会福祉協議会 都道府県庁 市役所 町村役場など
    • 企業 健康管理室など
  • 言語聴覚コース

    • 総合病院 リハビリテーション室など
    • リハビリテーション病院
    • 高齢者福祉施設 老人保健施設 特別養護老人ホーム デイケアセンターなど
    • 障害者支援施設
    • 企業 福祉 介護 リハビリ機器メーカーなど

在学生メッセージ

大学では心理学を専攻したいと思っていた私にとって、地元の九保大に「臨床心理学科」が開設されるのは“朗報”でした。しかも2年次から「心理・福祉コース」で勉強すれば大学院の2年間を経て、公認心理師の国家試験受験資格が取得できます。そんな“うれしい”気持ちで心理学を学び始め、カウンセラーになるという自身の将来像も見えてきました。今後は少人数でのグループ学習やチューターの先生による手厚い指導を受けとめつつ九保大ならではのキャンパスライフも楽しみ、視野を広げていこうと思っています。

松藤 桜子さん

臨床心理学科 心理・福祉コース2年
延岡学園尚学館中学校高等部(宮崎県)出身

「沖縄には言語聴覚士が少なく、困っている人がたくさんいる」。高校での病院見学時、このように聞いたのが将来の目標を看護師から言語聴覚士にあらためたきっかけです。その後、言語聴覚士をめざして沖縄の専門学校に通うより、幅広く学べる大学に進みたいと考え、調べて知ったのが九保大の「臨床心理学科」。患者さんの心に寄り添うために必要な心理学の知識をもつ言語聴覚士になれるのが魅力的でした。沖縄に戻って地域医療を支えるという未来を見つめ、4年間で人としても豊かに成長したいと思っています。

松岡 琴音さん

臨床心理学科 言語聴覚コース2年
八重山高等学校(沖縄県)出身