薬理学第Ⅰ講座の論文がBiological and Pharmaceutical Bulletinの 『Featured articles』に選出されました
本学薬学部薬学科 松本教授(薬理学第二講座)、鳥取部教授(薬理学第一講座)、長野講師(薬理学第一講座)による共著論文が英文雑誌Biological and Pharmaceutical Bulletinの 『Featured articles』に掲載されました。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/bpb/_contents/journal-featured-articles/-char/en
概要
冠動脈バイパス血管を用いた外科的療法は、冠動脈疾患の治療において非常に重要です。冠動脈バイパス血管のれん縮制御がバイパス血管の長期開存、予後において重要ですが、現在においても、れん縮制御に関して不明な点が多くあります。
そこで、冠動脈バイパス血管として使用される内胸動脈と大伏在静脈におけるノルアドレナリン(NAd)とセロトニン(5-HT)の血管反応性に対する血管れん縮抑制薬(Rhoキナーゼ阻害薬)の影響について検討しました。Rhoキナーゼ阻害薬は、大伏在静脈よりもむしろ内胸動脈において、5-HTによる収縮を強く抑制し、また、大伏在静脈においては、NAdによる収縮を強く抑制することを見出しました。
本研究にて冠動脈バイパス血管の種類により、れん縮防止薬の効果に違いがあることを見出しました。バイパス術中術後の血管れん縮を効果的に防止するための基礎的知見を提供したことで、バイパス血管の長期開存率の上昇、予後の良好な長期成績結果がもたらされることを期待します。
Takayuki Matsumoto, Takayuki Nagano, Atsuko Yokota, Eisaku Nakamura, Masachika Kuwabara, Ryuichi Yamamoto, Naoko Tanaka-Totoribe
Biol Pharm Bull. 2024;47(10):1657-1661. doi: 10.1248/bpb.b24-00502.