いまさらビタミンされどビタミン。

 ようやく、秋らしくなってきました。

 皆様、つつがなくお過ごしでようか。

 研究室も、エアコンなしで過ごせるようになってきました。

 ゼミ生たちも、今年の卒業を目指して、卒論、頑張っています。研究内容は、各種ビタミンの抗ガン作用なのですが、意外にもビタミンB1とかビタミンCは癌に効くのかもしれません。考えてみたら、ビタミンが発見されたのは、今から100年くらい前で、最初のビタミンは、我が国の鈴木梅太郎とポーランドのフンクが時を同じくして発見しました。鈴木はこの米ヌカから抽出した物質をオリザニンと名付け、一方、フンクは生命に必要なアミン;バイタミン:ビタミン と名付けました。ヨーロッパ圏のフンクが命名したこのビタミンと言う名称が世界中を席巻しました。この発見で、当時、結核と並び、我が国の2大国民病であった脚気も減少しました。それまで、陸軍の軍医であった森林太郎(文豪森鴎外としての方が有名)らは、ドイツへ留学して当時の最先端の医学である細菌学を学び、脚気は伝染病であるといった妄想から頑なに抜けきれず、日露戦争時には、戦死者のうち半分以上は脚気による病死であったほどです。

 しかし、まだこのビタミンが発見される前、宮崎出身の髙木兼続という海軍の軍医が、脚気の原因は食事や栄養にあるということを証明しました。軍艦の食事を肉や野菜を中心とした洋風化した結果、脚気による死者数は激減しました。この時、髙木が考案した脚気予防のメニューの一つつが海軍カレーとのことで、これが日本のカレーライスのルーツといわれています。

 

 意外と、癌など、不治の病と思はれている病気も、蓋を開ければ、ビタミンのような、日常にあるものが特効薬になるのかもしれません。脚気は今では、過去の病気となりつつありますが、こうなったのも、髙木兼続や鈴木梅太郎などのような偉大な先人たちのおかげであることを思い出すべきだと思います。と同時に、様々な難病、難題に先入観を捨てて立ち向かうことの重要性を髙木兼続や鈴木梅太郎など偉大な先人は教えてくれたのだと思います。

 

スポーツ健康福祉学科  鬼塚 信