水素を含む蒸気混合ガス吸入後に唾液中の免疫物質IgA抗体が増強することを発見!
順正学園 九州医療科学大学免疫学研究所(所長 池脇信直教授)は、「個人に適した体調管理と100歳まで健康に生きる」をコンセプトに本学倫理審査委員会の承認を受け、水素発生装置(下図)(一般医療機器クラス分類Ⅰ:スイソニア株式会社から資料提供許可)から発生する水素を含む蒸気混合ガスの作用を研究しています。その結果、水素吸入15分後、インフルエンザウイルスに対する唾液中の免疫物質IgA(アイジーエー)抗体が有意に増加することを発見しました。IgA抗体は、涙、唾液、鼻汁、胃腸液、母乳に含まれ、粘膜免疫において最も重要な役割を果たす抗体です。本研究から水素にはインフルエンザウイルスを防御する唾液中IgA抗体の増強作用があることが判明しました。
鼻粘膜から吸収された水素は体循環血液へと吸収され、悪玉活性酸素を結合して水に変化させ、老廃物と共に汗や尿として体外に排除する抗酸化作用があります。また、白血球を活性化し、免疫力を増強する作用もあることから、コロナ後遺症対策への応用の可能性も出てきました。
コロナ禍で免疫についての関心が高まり、免疫力を維持するサプリメントや機能性表示食品、生活習慣が注目されています。しかし、実際の免疫状態にもとづいたセルフケア/セルフコントロール、体調管理は行われていないのが現状です。水素の吸入は、粘膜免疫や腸管免疫と関連のある唾液中の免疫物質IgA抗体を増強させ、個人の免疫状態の把握や体調管理に利用できることが大いに期待されています。免疫学研究所では、さらなる研究を進め、個人に適した体調管理を支援するサービス事業に取り組み、国民の体調管理に貢献する計画です。
水素発生装置と鼻カニューラを用いた水素吸入法
論文:水素ガスを含む蒸気混合ガス吸入後のインフルエンザウイルス由来のHA抗原に対する唾液中IgA抗体価の増強. J. of Kyushu Univ. of Health and Welfare.20:69,2019. https://phoenix.repo.nii.ac.jp/records/1431